ヴァイオリニスト 高嶋ちさ子 オフィシャルサイト

Profile

Chisako Takashima 高嶋ちさ子(ヴァイオリニスト) 出身:東京  誕生日:8月24日

6歳からヴァイオリンを始め、これまでに徳永二男、江藤俊哉、ショーコ・アキ・アールの各氏に師事。桐朋学園大学を経て、1994年イェール大学音楽学部大学院修士課程アーティスト・ディプロマコースを卒業。
同年、マイケル・ティルソン・トーマス率いるマイアミのオーケストラ、ニュー・ワールド・シンフォニーに入団。1995年にCDデビュー。
1997年には本拠地を日本に移し、本格的に音楽活動を始める。
フジテレビの軽部真一アナウンサーとの共同プロデュースによる「めざましクラシックス」は1997年に始まり、現在までに通算公演回数280回を超える人気コンサートとなり来年20周年を迎える。
2006年の自身のソロデビュー10周年時に企画・プロデュースし「12人のヴァイオリニスト」を立ち上げた。“観ても、聴いても、美しく、楽しいヴァイオリンアンサンブル”というコンセプトでクラシックの敷居の高さを払拭し、クラシック音楽やヴァイオリンをより身近に感じてもらえるように活動を行っている。2006年の初コンサート以来、全国各地でコンサートを開催し各地で好評を博す。また、コンポーザー・ピアニスト加羽沢美濃と組んだ「CHISA&MINO」、チェロとピアノ、高嶋ちさ子のトリオでお届けする「みんなのための音楽室〜室内楽編〜」、0歳から入場できる「バギーコンサート」など、常にお客様の目線で考えられた楽しいコンサートを企画・プロデュースし、年間100本近いコンサートやイベントに毎年参加している。
2014年ハッツアンリミテッドにレーベル移籍。「COLORS〜Best Selection〜」、「Strings on Fire」と2枚のアルバムをリリース。2016年春、「日医工 presents HATS MUSIC FESTIVAL Vol.1 葉加瀬太郎・高嶋ちさ子・古澤巌〜3大ヴァイオリニスト〜」に出演、「ディズニー・ファンタジア・コンサート」では2年連続ライヴ・ナビゲーターを務める。
2016年7月6日には結成10周年を迎える12人のヴァイオリニストをメインに“高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト”名義で約4年ぶりとなるニュー・アルバム「MUSE 〜12 Precious Harmony〜」をリリース。同年9月より2017年2月まで全国コンサートツアー10th Anniversary 高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト「MUSE〜Best 12 Harmony〜」を開催。
現在、演奏を中心にイベントやコンサートプロデュースに加え、テレビやラジオなどの各種メディア出演、執筆など活動の場は多岐に渡る。

Stradivarius 愛用器 ストラディバリウス 製造:1736年製  愛称:ルーシー

はじめてルーシーに出会ったのは、実は今から20年も前の話。

兄の知り合いの方がストラディヴァリウスを持っているという話を聞き、「よかったら見に来ませんか」ということで、兄と見に行ったのです。そのときの印象は「本物って綺麗なんだな~。どんな音がするんだろう。誰が次に弾くんだろう」そんな感じでした。いつかどうしても手に入れたいなんていうおこがましい気持ちは微塵もなく、雲の上の上の存在がまた一段と遠くなった感じでした。

そして、自分で手に入れたお気に入りの「ロジェリ」という楽器で大満足して演奏活動をしていた頃に、ルーシーに再会することになったのです。久しぶりの対面、そして始めての試し弾き。どれほどの感動的な音を味わえるのかとわくわくして臨んだのですが…演奏してみると、「あれ?こんなもん?」というのが本心でした。「これなら私のロジェリちゃんのほうがいいや」と内心は思ったのですが、そこはやはりストラディヴァリウスに対しての感想ですから、一応「凄いですね。けど、私にはとてもとても…」とお茶を濁したのです。しかし、そこから色々な人にストラディヴァリウスの威力、可能性などを聞くうちに「これはもしや、あまりに安易に買わないという選択をしてしまったのではないかと、悩み始めたのです。そこからは寝てもさめてもルーシーの事が頭から離れず、「今度離れたら、もう一生めぐりあえないんじゃないか…」なんて思ったり。そして、楽器好きの旦那様の後押しもあり、清水の舞台から飛び降りることにしたのです。ここから先のお話は、「ヴァイオリニストの音楽案内」をご参照ください。

私の側にきてから、一度も怪我も病気もしないルーシーちゃん。300年近く前の楽器は、だいたい冬になると乾燥で古傷が痛み、夏になると湿気で弱り、と楽器屋さんを往復することが多いのですが、なぜかこの子は本当に健康でいい子なんです。しかし、一日でも弾かないと、ヤドカリが殻にこもってしまうかのように、音が前に出てこなくなるのです。「すまないね、こっちも色々忙しいんだよ」といいながら、弾き込んでいくと機嫌を治してくれるのです。そこもあまりもったいぶらず、引っ張らずに、素直にポンといい音を出してくれるのです。こちらのほうもルーシーの実力だけ頼らずに、色々弾きかたを変えたり、試行錯誤しているのですが、年々良い付き合いになってきている気がします。本当にいい子です。まだまだ長い付き合いになりそうだね。よろしくルーシー